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17/3/24

3月前半の色彩ワーク【日本の色を作ろう・写楽の浮世絵】

日本は実に色彩豊かな国です🇯🇵

日本の伝統的な文化や風景、季節の移ろいなどが、
多様な要素が色彩の豊かさを生み出してきました。

今回は日本の古典芸術である浮世絵をテーマに、
日本の伝統文化の色に触れる色彩ワークを行いました。

今回扱う浮世絵は、
東洲斎写楽の『三世大谷鬼次の奴江戸兵衛』

落ち着いた色合いの中に
歌舞伎役者・三世大谷鬼次が演じる江戸兵衛の凄みのある表情と、
全体のバランスに反してこじんまりとした手がなんとも可愛らしい

印象的な浮世絵です。

東洲斎写楽は、今から200年ほど前の江戸中期に一世風靡し、
10か月という短期間で忽然と姿を消した
謎多き浮世絵師です。

まずは浮世絵がどのように作られるかを
こどもたちと一緒に確認し、
写楽の浮世絵をじっくり観察して
どんな色が使われているか色どりカードと照らし合わせます。

朱色・卵色・鶯色・桜色・砂色…

日本の伝統的な色がたくさん使われていることに気づきます。

細かく観察すればするほど見つかる色分析、
まるで宝探しのように夢中になります✨

次に自分たちで絵の具を混ぜて色を作り、
写楽の浮世絵の真似をして塗ってみます。

使うのは
赤・青・黄・白・黒の5色だけ

「どの色とどの色を、どのくらいの配分で混ぜようかな?」

たった5つの絵の具だけで、写楽の色彩をどう再現するのか
創造力と分析力を駆使して色作りに集中します。

ただし、正確な色を作るだけが正解じゃありません。

「違う色で塗りたい」
「下絵の線を気にせず自由に塗りたい」

もちろんOKです!

こども色彩プログラムにお手本があるワークは稀ですが、
必ずしもお手本通りにしなくても大丈夫です

途中でクレパスを使う子もいました。
理由は
「着物の縞々の線をはみ出さないように塗りたい」
「髪の毛を絵の具でベタ塗りしたくない」

結果、
着物は鮮やかな色と細かな模様が素敵なデザインとなり、
クレパスと画用紙のボコボコとした表面がうまく融合して
白黒の濃淡がよりリアルな髪の毛の質感を演出してくれました。

この発想の転換やアイデアの豊かさ、
凝り固まった大人の頭の中にはなかなか浮かんできません!

「自分で考えてやってみる力」

確実に育っています。

発表の時間では、
どうやって色を作ったのか、どうしてその色にしたのかなどを
自由に伝えてもらいます。

色鮮やかな青・緑・黄色で塗った子は、
「江戸兵衛の表情が怖いから、
鮮やかな色で塗って優しい印象にしたかった」
とのこと。

なるほど〜
見守っているだけでは制作の意図を推し量ることが出来ません。

やはり本人に聞いてみないとですね!

肌の色を桜色で表現したかったけど、
始めに作った色は赤が多すぎて失敗しちゃった〜って言っていた子は、

「失敗から新たなアイデアが生まれて、
その色をバックグラウンドに塗って夕焼けを表現した」
とのこと。

発表を聞くことでその思いを知り、
一人一人の作品への尊敬が深まります。

世界に通ずる日本の伝統文化・浮世絵

今回は東洲斎写楽の浮世絵を通して、
日本の伝統色に親しむワークでした。

日本人として、
または日本人のルーツを持つものとして
誇りに思えるような
日本文化を取り入れた色彩ワークも、
こども色彩プログラムの魅力の一つ。

他にも
取り組むこどもたちだけでなく
見守る大人たちも夢中になるワークを
ご用意しています。

まずは体験レッスンで体感してみてください🌈

対面レッスン / オンラインレッスンが選べます。
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お気軽にご連絡ください♪